日本では、赤ちゃんが一歳になった時に面白い習慣が行われます。
一歳の誕生日に背負われる餅
一歳の赤ちゃんに餅を運ばせる習慣があります。しかもそれは数グラムではなく、思い切り10合(約3.3キログラム)の餅を運ばせます。
きれいな和紙などに包んだ(写真を参照)餅は、ピンクと白の餅ですが、それはこの2色(実際は赤と白)はお祝いや喜びの意味を持っているからです。和紙に書いてある「寿」(ことぶき)という字もその意味を持っています。また、紅白はお正月の代表的な色にもなっています。
しかし「赤ちゃんに3キログラムの餅を運ばせるなんて、とても考えられない」と思う方もいらっしゃるかもしれません。不思議な習慣ではありますが、いくつかの説明を聞いた事があります。
風呂敷に包まれたお餅
- 一歳になった時にもし赤ちゃんが歩けるならば、あちらこちらに行って、いたずらをしてしまう可能性が高い。餅の負荷で色々な所に行きづらくなって、親に迷惑をかけ難くなるでしょうという説があります。
- 10合の餅は「一升」ということで、「一生、食べ物が不足しない」という願望を表します。
- そして北海道出身の方から聞いた説ですが、(女の子の場合は)遠くにお嫁に行かないように餅の負荷をかけます。
赤ちゃんは前と後ろでお餅を運びます
以上の説明は確かに、少し古い感じがします(しかし子供がいたずらをすることに変わりはありません)。それに関わらずこの習慣を実施している家庭はまだ多いそうです。
具体的に、お餅を風呂敷などに包みます。(ちなみにこの「風呂敷」というのは外国にあまり相当するものがないと思います。タオル[フランス語: serviette de bain]等はありますが、風呂敷の場合は色々な目的に使えます。)
そして、赤ちゃんに餅を背負わせますが、長く続きません。荷物が重くて赤ちゃんは泣きだして、助けを求めます。
本当に不思議な儀式ですね。でもなんとなく、重要な一歩を現している上に、これから人生に歩んで行く赤ちゃんへの親からのお願の意味も持っているように感じます。